精油のブレンド術:香りの系統・香りの揮発速度・香りの強さ

精油イメージ Aroma:アロマ

香りのある植物は約3500種類、その中で精油をとることができるのは約200種類といわれています。
200種類も精油があればいったいどれを選んだらいいのかさっぱり分かりませんね…。
さらに精油をより使いこなすには「ブレンド」が必要になります。
精油を数種類混ぜることで、より複雑で奥行きのある自分だけの香りを作ったり、精油を組み合わせて自分の肌質にあった化粧水を作ったり。
でも何も知らないまま適当に混ぜていたらイマイチな仕上がりになることも…。
ブレンドする前に基本的な香りの知識を身につけましょう!

香りの系統

精油の香りは大きく7種類に分類されます。
同じグループに属する香りや、両隣のグループとは相性がよいといわれており、ブレンドする際の目安になります。
もちろん、必ずしもこのルールにのっとる必要はありません。
慣れてくればこの分類を無視してご自身が思う心地の良い香りを優先してくださいね。

下表はフローラル系とオリエンタル系がつながる輪と思ってご覧ください。
(フローラル系と相性が良い香りは、同じフローラルか隣のシトラスorオリエンタル)
なお、この分類は本によっても様々です。確定した分類ではないのでご注意ください。

フローラル系その名の通り、花の香りを連想させるものが多く、華やかで女性らしい香りが多い。
例:カモミール、ラベンダー、ネロリ、ゼラニウム、ローズ等
シトラス系柑橘系の香りが分類される。さわやかで万人受けする香りで苦手な人が少ない。シトラス系の一部は光毒性があるので日中の使用は注意。
例:レモン、グレープフルーツ、レモングラス、レモンバーム等
ハーブ系料理で使うハーブが多い。西洋では古くから薬草として利用されていたものも。さわやかな香りが多い。
例:ペパーミント、セージ、ローズマリー、スイートマジョラム等
ウッディー系森林浴をしているようなすっきりした香りが多く、落ち着きたいときにおすすめの香り。
例:ユーカリ、ティーツリー、シダーウッド、ジュニパーベリー等
スパイス系刺激的かつ奥深く温かい香りが多い。甘みのあるものも。刺激の強い精油が多いので使用量には注意する。
例:シナモンリーフ、ブラックペッパー、カルダモン等
バルサム系樹脂のこと。重く甘い、どっしりした香りが多い。フランキンセンスとミルラは新約聖書にも登場するほど歴史の古い香り。
例:フランキンセンス、ミルラ、ベンゾイン等
オリエンタル系エキゾチック系ともいわれる。“東洋の”と名付けられている通り、東南アジアや中東の植物の香りのこと。官能的な香りが多い。
例:イランイラン、パチュリ、サンダルウッド、ベチバー等

香りの揮発速度

精油は揮発するものである、というのは過去の記事でも述べてまいりました。
もう一度おさらいしたい方はこちらをご覧ください


さて、この精油の揮発ですが、実は精油によってその速さが異なります。
揮発速度のことを「ノート」といい、大きく3つのノートに分類されます。
(もっと細かく分類することもありますがとりあえず3種類押さえておけば大丈夫です)
揮発する速度が違うということは、それだけ長持ちする時間も変わってきます。
この概念を知らないと、ぜんぜん香りが広がらないスプレーが出来上がったりしちゃいます!
バランスよくブレンドすることでより香りが長持ちしてまとまりが出るといわれていますので、ブレンドするときはこのノートも十分意識しましょう!
ちなみにブレンドの目安はトップ:ミドル:ベース=3:2:1です。

トップノート最初に広がり認識される香り。ファーストインパクトを決める香り。
10~30分程度。
例:オレンジスイート、グレープフルーツ、スペアミント等
ミドルノートトップが消えたころに広がる香り。安定感を出す香り。
30分~2時間程度。
例:イランイラン、サイプレス、ブラックペッパー等
ベースノート最後に広がる香り。香りの持続性を高める役割がある。
2時間~12時間程度。
例:サンダルウッド、パチュリ、ベンゾイン等

香りの強さ

同じ1滴でもその香りの強さは精油によってまちまち。
香りの強いものばかりをブレンドすると匂いがきつすぎて心地よくない、なんてことにもなります。
かといって弱すぎてもピンとこない香りになるので、強弱のバランスも大事になってきます。
こちらの分類も本によって違います。確定ではありませんのでご了承ください。

ネロリ、ジャスミン、ローズオットー、ゼラニウム、レモングラス等
スペアミント、パチュリ、サンダルウッド、ラベンダー、ヒノキ等
ベルガモット、シダーウッドアトラス等

 

ブレンドの考え方

こんなにツラツラと御託を並べておいてなんですが、最終的には自分が「この香りが好きだ」と思うその気持ちが一番大事です。
日によって心地よいと感じる香りが変わったりもします。
それでもやはりこだわりたい、という方やブレンドがうまくいかない方は上記に挙げてきたような理論を思い出してみてください。
すべてを忠実に守る必要はないと思いますが、コツとして知っておくとアレンジできます。

精油をブレンドするときは、何かしらの悩みを解決したい時だと思います。
気分が落ち込んでいるから明るい気持ちになりたいとか、消臭スプレーがつくりたいとか、頭が重い、肌の調子が悪い、筋肉痛が…などなどなどなど。
まずはその悩みを解決してくれる精油の中で好きな香りを1つ選んで、その香りを中心として、相性の良い香りの中から好きなものを選ぶ。
その時少しだけノートと強さも一緒に調べてみてください。
そしてブレンドした結果をメモっておくと後からもう一度作りたい組み合わせや、避けるべき組み合わせを知ることができます。
最初はよくわからないと思いますが、何度もチャレンジしていくうちにコツがつかめてきます!
どうしても不安な方は、今後このサイトもでも発信しますが、ほかの人が公開しているブレンドレシピを真似してみるのもよいと思います。
ぜひいろんな香りを作って楽しんでくださいね。

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