アロマテラピーに興味があるけど、もう少し精油について詳しく知ってから買いたいな、とか、すでに手元にある謎の小瓶…これは精油なのか?
など、精油そのものについてを学びましょう!!
ちなみに、精油って何に使うの?というところから疑問が湧いている方は、こちらを先にご覧ください。
精油(エッセンシャルオイル)の定義
堅苦しいですけど、定義について知っていると知っていないでは今後正しい精油を選べるかどうかが変わってきます。
まずは精油の定義を見てみましょう!
精油(エッセンシャルオイル)は、植物の花、葉、果皮、果実、心材、根、種子、樹皮、樹脂などから抽出した天然の素材で、有効成分を高濃度に含有した揮発性の芳香物質である。各植物によって特有の香りと機能を持ち、アロマテラピーの基本となるものである。
こちらはおそらく日本で一番有名なアロマの団体「公益社団法人 日本アロマ環境協会」
通称「AEAJ(Aroma Environment Association of Japan)」さんによる精油の定義です。
ちなみに、アロマテラピー検定を受ける方もこの定義は頭に叩き込んでおきましょう!
つまり精油というのは、植物のいろいろな部位から香りの成分をぎゅっと凝縮して取り出した、揮発性のある香り物質なのです。
ここで大事なのは、植物以外のものが入っていないということ。
あくまで精油は植物由来100%の物質です。
ちなみに形状は液体です。
精油の特徴
精油には以下の特徴があります。
- 芳香性がある
- 揮発性がある
- 引火性がある
- 親油性がある
- 成分変化を起こす
- 数十~数百種の有機化合物を含む
いろいろな本で言い方は違えど、おおよそ上のような特徴があると説明されています。
一つずつ紐解いていきましょう!
芳香性がある
これは読んで字のごとく、香りがあるということです。
香りのしない精油は存在しません(笑)
この香りがあるおかげで、私達は元気がでたり、リラックスしたりできます。
揮発性がある
定義にも書かれていますが、精油は揮発します。
揮発とは「液体が常温で気体となって発散すること」をいいます。
つまり放っておくと勝手に気体になって周囲に広がります。
だから香りがふわ~っと周りに広がっていくんですね!
引火性がある
え!なにそれ怖い!燃えるの!?って思いますよね。ご安心ください。
あくまで「引火する」ということで、精油を放置していたら勝手に燃えだすわけではありません!
ただしわざとライターなんかを近づけて燃やそうとすると火がつく恐れはあります。
とりあえず燃焼しているものに直接触れさせなければ大丈夫です。
親油性がある
親油性というのは「油や非極性溶媒に溶けやすい性質のこと」を指します。
逆に水には溶けにくいです。
そう、精油は油には溶けやすいですが、水にはなかなか溶けません。
これは精油を使ってスプレーや化粧水などを作るときに重要になってきます。
ちなみに「精油」の文字に「油」が入っていますが、精油は油ではありません。
水に溶けにくく、水に入れると浮いてくることから「油」の字が入ったと言われているそうです。
成分変化を起こす
精油もナマモノなんですね。
自然由来のものですから当然時間とともに成分が変化します。
酸化、劣化もします。
ちなみに熱にも弱いので、基本的に精油の保管は遮光ビンに入れて冷暗所で保管します。
※ちなみに冷蔵庫保管は使用時、室温との温度差で劣化が早まる可能性があるので推奨されていません
また、一度開封した精油は種類にもよりますが、おおよそ半年~1年ぐらいが寿命です。
数十~数百種の有機化合物を含む
精油の成分ってすごくたくさんの種類の天然の有機化合物が入っています。
なので一つの精油でさまざまな効果が期待できます。
たった1滴の精油にものすごいいろいろな種類の成分が入っているので、どれが自分に合っているのか、また合わないのか試してみないとわかりません。
特に皮膚につけるアイテムはパッチテストをして安全を確かめてから使いましょう。
精油の抽出方法
ふむふむ精油の性質がだいぶ見えてきたぞ。となってきたと思います。
一体この謎の液体である精油はどうやって抽出するのか気になりますね。
精油の抽出方法はいくつかあるのですが主な5種類を紹介します!
水蒸気蒸留法
ラベンダーやミント、フランキンセンス、ティーツリーなど、ほとんどの精油がこの方法で抽出されています。
大きな釜の中に植物を入れて、蒸気を吹き込むか、水を入れて沸騰させるかして蒸気を植物にあてます。
そうすると蒸された植物から精油の成分が揮発して、蒸気と一緒に上に立ち上ります。
その蒸気を今度は冷却すると、気体から液体に変化します。
精油は水に浮く性質があるので、溜まった液体の上澄み部分が精油ということになります。
ちなみに、精油の下にある液体についても、少しだけ精油の成分が溶け込んでいるので、「フロールウォーター」や「芳香蒸留水」という名前で販売されています。
精油より作用が穏やかなので、肌の弱い方などはまずフローラルウォーターを使ってみるのも良いかもしれません。
ちなみにこの抽出法は熱に弱い植物には向いていません。
圧搾法
主に柑橘類の精油がこの方法で抽出されています。
オレンジやレモン、グレープフルーツなどの精油は果実の皮から精油をとるのですが、その名の通り、皮を絞って抽出します。
実際には機械がやってくれますけどね!
機械でちゃんと不純物などは分離するのですが、それでもやはり多少の不純物は混ざるそうで、変質しやすいとのこと。
とてもフレッシュな果実そのものの香りなので好きな方も多いのですが、柑橘系(果実からとるもの)の精油の使用期限は開封後約半年といわれています。
ちなみに圧搾法でとるものは厳密には精油とはいえないという話もありますが、今はこれも精油として取り扱いされています。
揮発性有機溶剤抽出法
漢字ばっかりで何がなんだか読む気をなくす抽出法です。
この方法で抽出された精油には「Abs.」という文字が名前についています。
これは「アブソリュート」と読みます。
例えば、ジャスミンやローズなんかはこの抽出法です。
水蒸気蒸留法などの熱が加わる抽出法ではうまくとれないものがこの方法で抽出されます。
どのように抽出するかをつらつら書いてもとにかく小難しくてよく分からない。
化学きらーいな私でもわかる言葉に置き換えると、「とにかくなんかの溶剤を使ってさらにアルコールで処理してとれた精油」らしい。
なので、溶剤が残っている可能性があるアブソリュートの精油を化粧品など肌につけるものには使わないほうがよいのではないか、という声もあったり。
ごく少量だから大丈夫という声もあるので、この辺は自分で試して納得の上で使ってください。
もちろんディフィーザーなんかで芳香浴する分には気にしなくてよいです。
アンフルラージュ法
油脂吸着法とも呼ばれる抽出法です。
かっこいいから横文字をタイトルに採用しました(笑)
これはとても古くから使われてきた方法で、さっきの揮発性有機溶剤抽出法が主流になるまでは、こっちが使われてきたそうです。
これ、漢字のイメージ通りなんですが、油脂の上に花びらを乗せて何層にもすると少しずつ精油が油脂に溶け出すらしいです。
これを何度も繰り返して、最後にアルコールで油脂を希釈して、アルコールを分離させると精油が抽出されるんだそうな。
うーん、想像がつかない。誰だよこんなしちめんどくさいもん考えたのは!天才か!
とまぁそれだけデリケートな花の香りを取り出すというのは大変な苦労がいるんですね。
それにしてもこれは苦労がすぎるんで、現在はほとんど使われていないそうです。
ちなみにこちらも、Abs.という文字が精油名につきます。
超臨界流体抽出法
うわー。最後の最後にまた読む気をなくす漢字だらけだよぉ。
これはかなり新しい抽出法で、最近商品にもこの抽出法を謳ったものをちらほら見かけますね。
名前がなんかうさんくさい感じがしますが、立派な抽出法です。
これは二酸化炭素ガスを高圧状態にすると液体になる(!)んですが、この状態を「超臨界」といいます。
この超臨界状態になった液化ガスを植物に浸透させて、拡散して芳香成分を取り出します。
圧力をもとに戻すと液体から気体にガスが変化するので、残るのは芳香成分のみ。
これを「エキストラクト」と呼びますが、この精油は水蒸気蒸留法で得られる精油と化学構造が異なるそうです。
うーん。難しい。
でもこれ、装置がいかんせん高価なもんであまり一般的ではないです。
だから精油の価格も高め設定だとか。
より植物の香りに近いそうなので、もし機会があれば匂ってみて価格に納得すれば購入しても良いかと。
コメント