社畜であることを自覚しながらもやりがいを感じていた私が会社員をやめたキッカケ

Life hack:自分のやりたいことを見つける

高校→大学→社会人→結婚→出産→社会復帰みたいな大まかな人生の流れを私も歩むものだと思って生きてきましたが、たいそう大幅にズレた人生を歩むことになりました。

特に仕事のやり方がまさに「社畜」一本道だったため、家庭を顧みることのない仕事人間(笑)でした。
当然、「家庭」を求めるお相手とうまくいくわけはなく離婚に至るわけですが。
そしてますます「社畜魂」に磨きがかかっていった私。

会社員生活の最後は残業100時間越えを数か月続けているような状態でしたが、体が丈夫なので乗り越えられてしまいました(笑)

心の方は多少揺らいで攻撃性が増しましたが(笑)、鬱のように自分に向かわずに済んだのが幸いです。

でも人生を考える転機にはなりましたので、何がきっかけで目覚めたのかをお話します。

組織に従順な社畜になる下地をしっかり構築

思い返せばやはりすべての根本は新卒で入社した会社じゃないかなと思います。

初めて社会にでて、会社という組織で、お金を頂くお仕事をするという経験は、ぬるま湯で育った私には未知で右も左も分からない世界でした。

新卒で入った会社は従業員数1万人超えの大企業で、新卒の採用は200~300人という感じ。

大阪で採用になった私は内定者研修を数回経て、新入社員研修へと進みます。

この時まず徹底的に教えられたのが「社会人マナー」でした。

お辞儀のしかた、声の大きさ、電話応対、名刺交換、敬語、マナー、服装、身だしなみ、報告の仕方、メールの書き方、手紙の書き方といった、「社会人なら当たり前」の事をみっちり1か月近くかけて教え込まれました。

まだこの時は学校のような雰囲気で、研修会場も職場とは違う会場で行われていたので会社にはいったことがない状態です。

そしてこの社会人マナー研修には「圧力をかけられても耐えられるかどうかを見る研修」が含まれていて、チームに分けられて課題をこなし、クライアント役の講師へもっていくものの、「絶対否定」されて「めっちゃ怒られる」という体験をさせられました。

「これぐらいのパワハラは社会にでたらあるから覚悟しとけや」っていう感じですね(;´∀`)

実際に無理難題を言うクライアントは存在するし、根性腐ってるような先輩や上司もいるので、その片鱗を体験しました(笑)

「うわ~大人って怖い…」と恐怖したものです。

そしていざ部署に配属され、同じ課には私含めて6人ぐらい。

今までの研修は新人だけの世界だったのが、一気に数十名の先輩たちの島に放り込まれるヒヨコたち。

もちろんくっそ忙しい先輩たちは新人なんか見向きもしないし、OJTじゃなかったから、フォトショとかイラレの使い方を研修してくれた人が唯一話せる人、みたいな。

人材が多い分、新卒で入ったプロパー正社員、中途社員、派遣社員といろんな人が居ましたが、当然一番力を持っているのは新卒から上がってきている正社員で、面構えが違うぜ…て感じです。

しかも私が経験した新卒の研修は時代に合わせてずいぶん甘くなった状態だったようで、数年前の猛者たちの時代は泊まり込み研修もあって、倒れて強制送還される人が発生するレベル。

なんかよくブラック企業の研修で聞くようなやつをやってたみたい(笑)

砂浜に置いたボートをひたすら漕がされるとか(←海には出さしてもらえない)

海に向かって自分の弱点を大声で叫ばされるとか(←殻を打ち破るのか?)

お尻ぺったんこになるぐらい三角座り(体育座り)させられるとか(←忍耐?)

いろんな面白伝説がありましたが、まぁそういうのを経て、かつクライアントの無理難題を受け止めている人たちの集まりなので、空気の読めない新人なんてかまってる暇ございません。

そしてあるあるですが、部署の偉い人は外部から来たわけの分かっていない人なので、現場の先輩方とは犬猿の仲。

私たち新人は部署の偉い人達に言われた事をしていても、現場の先輩たちは「あいつら何やってんの」っていう目で見てくる悲しいスパイラル(つд⊂)エーン

そして大体優しい人は派遣社員さんね。。。きっと私たちと同じ目に合ってきたんだろうな。。。

よその会社を知っている派遣の方や中途の方はまだ人間味を感じましたが、まじで新卒入社の正社員の先輩たちはサイボーグかな?って思っていました。

こんな職場で身についた能力で良かったのは「空気を読む力」と「実際に力を持っている人を見極める目」ですね!

これに関してはめっちゃ鍛えられたと思いますっ!

でも代わりに失ったものは「自己主張」でしょうか…。

ひとたび個性を出そうもんなら何言われるか分かったもんじゃない雰囲気…

ああ、会社員って自分を押し殺して、周りの空気を読んで、とにかくまじめにコツコツ成果を出していくんだな。という認識が私の中でどんどん固まっていきました。

幸い私は割とすぐにこの組織から外へ出ることになったので、まだ幾分かマシだと思います。

ちなみに1年もたたないうちに、同期6人は3人になりました。

「仕事」は作業ではないと痛感した体験

とにかく先輩から言われたことをこなす日々を過ごしていくうちに、徐々に大まかな「仕事」の流れをつかみだした2年目。

まだまだ先輩におんぶにだっこだったものの、自分で考えて動けることも増えてきました。

女だけのチームだったので、特有のいざこざは耐えなくてメンバーの入れ替わりなども発生しましたし、クライアントと揉めて勤務ボイコット事件なんかもありましたが、おおむね期待されていた「役割」はまっとうできたと思います。

当時私に課せられていたのはECサイトの運用だったので、作業ベースの仕事が大半を占めていました。

3~4年目ごろ、気づけば先輩全員いなくなってしまって(トラブルとか妊娠とか)当初のメンバーの中で一人残された私はそろそろ別のクライアントの仕事がしたいと思うようになり、会社とも相談して引き上げることになりました。

そして新たなクライアント先で、なかなか厳しい現実にぶち当たるのでした。

まだ当時、仕事は誰かから指示があるもの、作業を頼まれるもの、上の人が流れを決めて下の私にタスクとして降ろしてくれる、まぁでも要領掴んでいるんでなんなら先回りして色々やっておきます、という感じでした。

ところが0から始まる新たなクライアントとの仕事は、決まった仕事をこなすタイプではなく、業務改善や数字の改善が目的だったので、「作業」というものは存在せず、私は何をしたらいいのか指示もないので頭が真っ白になったのです。

今であれば何をするべきか分かるのですが、当時は全く皆目見当もつかず、とにかく作業指示をしてもらわないと何からしたらいいのか分かりません状態。

「こういうの作って。」って一言ってくれたら、こういうデータ集めて、こうしてああしてって、やることが見えてくるんですが、作ってほしいものがある訳ではないので、クライアントの依頼に対する成果物がさっぱり想像つかなかったのです。

今までは先輩のいう事を120%で仕上げることが私のミッションだったので、いきなり何の指示もない大海原に一人放り出されました。

そこで初めて仕事が嫌で泣きました。

そしてマネージャーに助けを求めたら、もっと上の、東京本社からアカウントマネージャーが職場に寄ってくれて「クライアントの依頼内容を整理」してくれました。

この時初めて「ロジカルシンキング」や「図で考える」という概念を知りました。

アカウントマネージャーは、モンブランのペン(さすがです)を使ってロディアのでっかい方眼紙(おしゃれです)にさらさらっと絵を書いて、クライアントが言っていること、私にやってほしいことが全体の流れのうちのどこなのかなどを丁寧に説明してくれました。

かくして私は今まで場当たり的な仕事の仕方しかしていなかった、指示通りに作業をすることが仕事だと思っていた、と衝撃を受けたのでした。(御年26歳)

そしてマーケティング部所属なのに、圧倒的に知識が足りていないことも痛感し、「仕事ができる人っていうのはこの人みたいなことを指すのか」と感激しました。

「これあげる」って頂いた”図で思考を整理する方法を書いた本”は、今でも私の宝物であり「仕事とは」を考えるときに手に取って当時を思い出します。

仕事に対する考え方が変わったアラサー時代

そんなこんなで、今までとは違う「思考」を仕事に反映していくようになって、徐々に「考える力」を身に付けていくことができました。

それでも私はまだまだ組織の言いつけをとにかく守る優等生タイプの会社員

問題は起こさないし「よくやってくれているね」と言われますが、成果が数字で表せない業務なので、分かりやすい成果をアピールできない状態。

システム保守やってる人がトラブルが起こらないようにやっているのに評価されないのと似ているような気がします。

どこまでやっても結局クライアント先の成果は、結局分からないし、私がそつなく運用をしていることも、大きなミスをしないことも、会社にとっては当たり前のこと。

クライアントの規模がもっと小さければ戦略も一緒に考えられるでしょうが、当然先方は超大手で、外注の私たちが踏み込めるものではありません。

私たちに求められているのは「改善」ですが、これももちろん私たちだけの成果ではなく、多くの業者が関わって成し遂げる数字。

そんな中の雑兵の一人である私の仕事のインパクトなんてたかが知れています。

私の仕事はどれだけの役に立っているのだろうか。

提案書を書いても書いても満たされることのない仕事にだんだん追い詰められていき、結局いろいろあって初めて「会社を辞める」に至りました。

愛社精神の塊である私は見事に優秀な社畜へ

2社目以降は、自社サービスを販売する中小企業を選んだので「愛社精神の塊」のような社員へと変貌していきます。

とにかく自分の会社がよりよく成長することを夢見て、売上を上げること、経費を削減すること、仲間の役に立つこと、社長や上司が叶えたい夢を実現に導くことに注力しました。

時には思いが強すぎて周りとぶつかることもありましたが、すべては「愛ゆえに」でした。

会社の繁栄を第一に考えた仕事の仕方をしていたので、もう上からの評価は爆上げです。

私は自分の都合より会社の都合を優先し、どうすれば皆のお給料が上がって、会社も儲かるのか?を考えていました。

ちなみによく愚痴で上がってくる「給料が安い」とか「休みが少ない」ですが、私はこの愚痴に対して「売上を上げるか経費を削減すればいいしゃない」「休みの多い会社に転職するか有給使える環境にしていけばいいじゃない」と返していました。

そして私は本当に上に掛け合うタイプですので、長年のよく分からない慣習とか割と打ち破ってきました。

「みんななぜ愚痴は言うのに行動しないんだろう。嫌なら変えればいいのに。」

私の社畜魂は、組織に従順ではあるけれど、変えた方がいい事、会社にとっても利益になることはズカズカ主張しにいくので、みんなの不満があっさり解消されていくことが多々あり、上からも下からも感謝されることが増えていきました。

そうなってくると、ますます「この会社をよくするために頑張ろう!」という気持ちが大きくなり、多少の無理は承知で業務をこなすようになっていきます。

経営陣がこうしたいという方向性を提示してきたら、だったらこういう手順でこうしてああして~と、昔ならできなかったような仕事の仕方も少しはできるようになっていました。

あの時ロジカルシンキングやフレームワークを学んでよかったと今になるとすごく思います。

小さい会社、かつ古い会社であればあるほど、マンパワーや勘で仕事をしてきたことが多いので、理論立てて話すとめちゃくちゃ承認が下りやすかったです。

こうして、なんでも頑張ってしまう社畜としての実績をどんどん積み上げていきました。

人よりタフすぎて気づくのが遅れた

なるべく休みは確保するように最低限心がけていましたが、どうしても納期に間に合わせるためには無理をしなければいけない時がありました。

休日出勤でまかなったり、朝まで仕事してタクシーで帰ったり。(←当然自腹)

でも、仕事をやり遂げた達成感が直結しているので「私よく頑張った」と満足していました。

残業は常に80時間~100時間オーバーで、帰りはほぼ毎日終電

もちろんほかの人に同じ仕事の仕方を求めはしませんが、私だったら無理してでも終わらせるな、とか、この程度の業務量でスケジュール崩壊するんだ、とかふつ~に心の中で思っていました。

ちなみに休みの日は習い事や買い物に行ってリフレッシュするけど、家のことは一切放置。

洗濯だけかろうじでやるけど、食事は全部コンビニか外食。

掃除もほぼしない、だって疲れるし時間ないし。という状態。

人間らしい生活をすべて犠牲にし、とにかく仕事が一番優先でした。

こんな生活なのに一切体調を崩さず、鬱にもならず、そこそこ元気に過ごせてしまっていました。

私より業務量少ない人ですら何回も体調崩していましたし、むしろ何人も辞めていますが、私は平気だったのです。

ありがたいことに体力も精神力も多分平均より上なんでしょう…。

だから無理できてしまうし、頑張れてしまう。

だけど、どれだけ一生懸命仕事をしても、どうしても「私の人生は仕事だけでいいの?」という疑問に答えが出なかったのです。

人生を自分でデザインしていくこと

頑張りすぎて周りとぶつかる事が増えてきた頃、さすがに良くない状態だと自覚しだし、私は解決策を探していきました。

そこで出会ったコーチングやマインドセットの考え。

ああ、私って実は自分を犠牲にして生きてきたんだ…

と初めて気づいたのです。

ただ頑張りさえすれば幸せになれると思っていました。

でも現実は自分の余暇は持てていないし、お給料がめっちゃ上がるわけでもないし(残業代がついているだけだし)、そもそも私はどうなっていることが「幸せ」なんだろう?

こんな根本的な事すら、心に問いかけても答えが出てこないのです。

確かにあったかいお布団で何時間も寝るとか、美味しいものをおなか一杯食べることも幸せで大切なことなんですけど、私の人生それでええんか?と。

生理的欲求を満たすだけでええんか?と。

いやいやいやいや、私だってリゾート地でのんびりしたいし、親ともっと一緒にどっか行きたいし、パートナーだってほしいし、経済的に困窮しない余裕がほしいし、もっと広い快適な家に住みたいし、友達といろいろ遊びに行きたいっちゅうねん。

少しずつ自分の「欲求」や「幸せを感じる事」を自覚できるようになってきました。

そうなると、今のような働き方ではこれらは叶いそうもない。と結論が出ました。

あとはコーチングのプログラムにのっとり、どうすれば叶うのか?に焦点を当てて考えていくことで、まずは独立するということになったのです。

自分の心に素直に従える人は、きっとやりたい事をやって、自分を優先できるのだと思います。

でも私は社会人たるもの自分を押し殺して組織を優先するべきと思っていたので、かなり長い間自分の欲求を閉じ込めていました。

おかげで、自分の本当の気持ちに気づけないぐらい「鈍感」になり、何層もの鎧で「心」を覆っていたのです。

これを読んでいる方の中にも私のように、自分の本当の気持ちが分からない人、何がしたいのか分からない人、キャリアに悩んでいる人が居るんじゃないかなと思います。

これからは風の時代。

個人の生き方がどんどん自由になり、尊重される時代です。

ちょっとだけ自分の中の「当たり前」とか「~べき」というのを取っ払ってみませんか。

本当はもっと「気軽に」「気楽に」生きてもいいんですよ。私は知らなかったけど(笑)

白か黒か、成功か失敗か、0か100かみたいな思考をしがちな人ほど、追い詰められていくので、肩の力を抜く方法を身に付けましょう。

私の場合はコーチングと出会ったおかげで思考がかなり柔軟になって、いろんな選択肢が転がっていることに気づけるようになったと思います。

今まで会社員以外の生き方は不安定なイメージしかなくて、そんな恐ろしいこととてもじゃないけどできないって本気で思っていましたから。

いったい誰がそう決めつけたのやら…と今になったら言えますけど、渦中の際はまったくそんな事思えませんでした。

さて、あなたは自分の人生を自分で決めていますか?

これぐらい我慢するのが当たり前って思っていませんか?

それって誰が決めたんでしょうか?

あなたが嫌だと思っていること、怖いと思っていることを楽々こなせる人が居ることをご存じですか?

実はもっと選択肢があるということに気づけていますか?

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