「アロマテラピー」という言葉の響きに惚れた人は、まず最初は自分のためにアロマを利用していく。
そのうち、私が好きなこのアロマをもっと広めたいと思ったり、これが仕事になれば幸せな気がする。
そう思う人は多いのではないだろうか。
300人以上のそんな思いを持つ女性と向き合って、1対1で話し合ってきた私が見た、現実のお話をします。
「アロマが好き」だけで仕事になるか
好きなことを仕事にでき、自分の都合で働いて、しかもそれでお金が稼げたら…
毎日嫌な会社に行きたくない、嫌な上司と顔を合わせたくない、子育てがひと段落してふと振り返ると私には何もできることがない…
こんな思いを持っている人は世の中にたくさんいると思う。
私が働いている職場は、女性が自分の力で生きていくためのスキルの一つとしてアロマテラピーの知識と技術を提供している。
そこで私がしている主な仕事は、「アロマ」を武器に生きていきたいと思った人へ、その思いの本気度を確かめ、覚悟を決めて時間とお金を投資できるかどうか”ふるい”にかけること。
厳しい言葉かもしれないが、私の信条であり、信念である。
いわゆる「内勤営業」なので、結果入校いただければそれで私の成果にはなるのだから、口八丁手八丁駆使して甘い言葉をささやき続けて夢を見させても良い。
だけど私はそれをしない。
きちんと現実を話す。結果会社の売り上げにつながらなくても。
なぜなら、私のもとに来る大半の人が思っている「アロマでゆくゆく仕事になれば」という思いだけでは仕事にはならないからだ。
アロマを仕事にするとはどういうことか
まず、初対面の私に最初から「自分の欲望」を正直に話す人はほぼいない。
なぜここに来たの?という問いに対しての回答は大体2つに分かれる。
「アロマが好きだからもっと勉強したい」「昔から香りに興味があって、もっと知りたいなと思って」という知識を欲するパターンと、
「アロマサロンに通っているうちにそういう仕事もいいなと思って」「(自己流)マッサージを褒められて人を癒すことを仕事にしたい」という施術をしたいパターンである。
後者は「アロマセラピストという仕事をしたい」という思いがそこそこ具体的になっているので、話が早い。
それが転職なのか就職なのか開業なのかの違いはあれど、どのレベルのセラピストを目指したいかの話と業界の内情を話して覚悟を確認していくことになる。
問題は前者の場合。
「アロマが好きだからもっと勉強したい」という人の中で、本当にただ趣味として学問としてアロマを突き詰めたいと思っている人はほんの一握りである。
たいていの人は、よくよくヒアリングをしていくと「いつか講座を開けたら」と思っている人や、そもそもそのイメージすらもないけど「なんかしらアロマがお小遣いになればいいな」と超ぼんやり考えている人がほとんどである。
お金を頂くことの覚悟
「仕事にする」とは「お客様からお金をいただく」ことなのだが、この視点がすっぽり抜けている人が年配の方になればなるほど多い印象。
イメージでは50代前後からかな。
逆に20代が私のもとに来る場合は「技術」を求めることがほとんど。
30代40代は半々といったところ。
この層は副業でアロマの知識を切り売りしたいと思っている人が多いので、それはまだ勝算があるが、本業はやめないように伝えている。
アロマの「知識」でお金を儲けるのはアロマの「技術」でお金を儲けるよりよりハードルが高い。
なぜなら、アロマの「知識」はインターネットや本にごろごろ転がっている。
いつでもだれでもいろんな情報にアクセスできる現代においては、「選ばれるアロマに詳しい人」になるのはかなりのセルフプロデュース力が求められるからだ。
本業で稼ぐレベルになるには、スクールの講師として雇ってもらうか、カリスマフリーランスになるか。である。
ちなみに技術を持たない場合、スクールで雇ってもらえるレベルになるのはかなりハードルが高いことも付け加えておく。
アロマの知識だけで稼ぐにはどうしたらよいのか
講師として雇ってもらいたいと思った場合、技術を学んでいない人を雇うほど余裕のあるスクールはかなり少ない。
大手の場合は少なくとも国際ライセンスレベルまで持っていることを求められるが、国際ライセンスを取るには技術習得もすべからくセットである。
そこまで稼がなくてよい場合は小規模スクールであれば、技術がなくても雇ってもらえる可能性もあるし、自分で教室を開くというのも手。
ただ自分で教室を運営する、しかもそれが本業であり自分の飯の種である場合はかなり戦略的に行う必要があるのと、生半可な知識では生徒からの信頼を得ることはできない。
そして何より、集客・集金・コンテンツ(レッスン)作りはすべて自分で行う必要がある。
結婚していてパートナーがいてお小遣い稼ぎでいいんです、という場合と、これで生きていく場合とでかなりリスクに差がある。
なのでアロマの知識を仕事にしたいと思っている人で、今の仕事をやめようと思っている場合は少し慎重に話すようにしている。
だが、アロマの知識を提供することを仕事として稼いでいる人が居ないわけではない。
ただほとんどの表にいるアロマを仕事にしている人はもれなく技術も提供しているので見つけるのは至難の業だけども…
それでもアロマの知識で、しかも本業として稼ぎたい場合は、セルフプロデュースに磨きをかけることをセットで学んでいくことをお勧めする。
ともすれば、何の資格もない人がストアカなどでオンラインレッスンを簡単に開催できる世の中。
どうやって「私」を選んでもらうのか?
これに尽きるのだ。
個が重視される「風の時代」
アロマに限らずだが、これからの時代は「個」が重視されるのはもう確定で、一つの企業にしがみつく時代は終わる
一人一人が自分しかない魅力を発揮して「私自身」を売りにしていく時代になる。
インターネットは最大限活用して発信して自分を見つけてもらえる工夫をしていかなければいけない。
このノウハウは今から少しずつでも学び、そしてアウトプットの練習をしていく必要がある。
「私が教えるのはアロマ×●●」この●●にあたる部分をどれだけユニークなものにできるのかがポイント。
ありきたりな知識は埋もれるし、先人やプロがひしめき合っている中に、後から参入する自分が勝つためにはいかにオリジナリティを発揮し、見つけてもらうにはどうすればいいのかを考えなければいけないのだ。
あなたはアロマでいくら稼ぎたいのですか?
どんな業界にもプロやハイレベルな人が存在している。
それはアロマの業界も同じ。
世の大半の人がアロマに求めているのは「いい香り」であり、少しアロマを知っている人は「こんな症状にアロマを使いたい」である。
このニーズに対してどうやってあなたらしく答えていきますか。
説明会に来た人に「あなたはアロマを仕事にしていくら稼ぎたいと思いますか?」となかなかストレートに聞くわけにはいかないけど、仕事にしたいと思っているなら、必ずこの問いには答えを出すこと。
夢を夢で終わらせないためには、まずはゴール(目標)を明確に決めて、そこへ到達するために何をすべきか戦略を立てることが必要なのだ。
投資以外でお金を稼ぐ方法は、雇用されるか、起業するかの2択なのだから、まずはそこから考えていくべきである。
「稼ぐ」とか「儲ける」という言葉から目を背けずに、自分はアロマでいくら稼いでどうしていきたいのか考えるところからスタートしよう。
もし自分がアロマで何をしたいのか分からないという人がいたら、どうぞお気軽にメッセージをください。ご相談に乗ります。
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