リンパを流したいと訴える人はとても多い。だから自分がサロンを開くときはリンパも流せるセラピストに…!でもそもそもリンパを流すって何?今まで受けていたあの施術は本当にリンパ流れてますか?
リンパが流れる仕組みをどれだけ知っているか?
多くの人は自分の体の仕組みなんてアバウトにしか知らない。
そもそもリンパ管が体のどこをどう走っているのか考えたことがあるだろうか。
リンパって何が流れているのか、流すとどうなるのか。
実際にリンパ流しますねーといいながらマッサージをする人の中にきちんとリンパの仕組み(ひいては体の仕組み)を学んだ人がどれだけいるだろうか…
そして世の中には先天的や後天的にこのリンパが流れる仕組みがうまく機能せず、大変つらい思いをしている人もいる。
病院に勤めている人ならリンパ浮腫患者の状態を見て、自分に何かできることはないだろうかと考える人も多い。
リンパを流すという言い方自体は今のところ「治療」ではないから、医療資格のない人たちも謳えるので世の中のサロンで集客のためによく使われているのが実情である。
リンパ液が流れる仕組みは、血液が流れるようなポンプの役割があるわけではないので、健康な人は筋肉の収縮や、圧力などが加わることで、毛細リンパ管の口が開いて組織間の余分な水分などが勝手に流れ込む。
この毛細リンパ管の口をどうやって開くかだが、医療現場では用手的リンパドレナージといって、ほぼさするだけの施術を行う。
実際ほんとうに力を入れなくてもリンパを流すことは可能なのである。
では力を入れてゴリゴリとリンパを流す行為とは…
肩甲骨回りやデコルテなどをマッサージをされてゴリゴリするところ、まずこれはリンパが固まったものではない。
筋繊維の収縮したものが正体なのですが、筋繊維が収縮したままだと皮膚のすぐ下を走るリンパの流れが悪くなるというのはあるので、ゴリゴリを解決することでリンパの流れがよくなりますよ、というのが一般的なマッサージ店でされる説明に近い。
なので一般的なマッサージでは、リンパを流すための施術ではなく、凝り固まったところをほぐすことで、結果リンパの流れを良くしようという理論である。
健康な人なら多少強めのマッサージを受けても、強すぎて筋繊維が傷んでも何とかなるけど(いやだめなんだけど)、年配の方や病気の方に同じ施術をすると怪我のもとであり、逆に症状が悪化する。
「リンパを流す」方法というのは、本当は力はまったく要らず、皮膚の表面をさするだけでも十分なのである。
そしてリンパは流れる方向が決まっているので、必ずその方向に向かって流さなければならない。
まず、きちんとリンパの仕組みを学んだら、鎖骨のあたりから施術を始める大切さ、力を入れない理由が答えられるはずだ。
これが答えられないセラピストが「リンパ流れてますよ」とか「リンパ流しますね」と安易に言うのは違うし、お客として接するなら本当に知識あるの?って疑ってかかったほうが良い。
でもこれを罰則する法律がないのも事実である。
※ちなみにマッサージをしていいのは国家資格であるあん摩マッサージ指圧師資格のある人なので、民間資格の人はもみほぐしとかトリートメントとかいう言葉を使う
あなたが目指したいセラピストってどんな人?
自分でサロンを持ちたい、セラピストとして働きたいと思ったら、お客様に何を提供できるセラピストになりたいのかをイメージすることが大切。
「本物」を提供したいのであれば、あなたが身に付ける技術と知識は「本物」でなければならない。
人の体を触り、影響を与えていく仕事を選ぶということは、それだけ責任がついてくるのだ。
セラピストになるということは、この責任を果たし、常に最新の情報をアップデートしてお客様に「快適」や「心地よさ」「癒し」を提供していくんだと覚悟を持つべきである。
出所の分からない知識と技術を身に付けないでほしい。
安易な情報に飛びつかないでほしい。
まぁこれは消費者側も賢くならなければいけないのだけど。
あなたを頼ってきた人を裏切らないセラピストであってください。
知識と経験が足りないと思ったら勉強してください。
できないことはしっかりできないと伝えてあげてください。
特にアロマを使う場合、薬に頼ったほうが良いこともたくさんあるので、自分ができることと出来ないことの線引きはしっかり引く必要があることを忘れないでください。
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